翌朝――
「犬神さん! 貴方、なにをやっていたのですかっ!!」
 嘉~家のメイドに起こされ、食堂に案内された悠樹に対して、激しい罵声が浴びせられた。
 愛姫が、憤怒の形相で仁王立ちしている。整った容姿だけに怒ったときの迫力もすごい。
 昨夜は感情を露わにすることはほとんどなかったので、顔を真っ赤にして声を荒げている姿は新鮮だった。しかし、いったいなにを責められているのだろう。
「えっと……あ!」
 少し考えて、思い出した。
 監禁していたはずの神流が逃げ出したのだ。そのことを知らせようとしたところで、悠樹は神流に操られて眠りこけてしまった。
 とはいえ、ここまで怒られる筋合いはあるまい。神流の身軽さ、身体能力を考えれば、あの時点で知らせていたとしても捕まえられたとは思えない。
「不可抗力……じゃね? つか、神流を捕らえていたのは愛姫だろ? 俺が逃がしたわけじゃないし。神流が自分で抜け出してきたんだ」
 言外に、そちらの閉じ込め方が甘かったのだ、とほのめかす。
「貴方が逃がしたも同然です! 普通なら逃げられるはずがないんです! 貴方、あの狼と会ったのは昨日の朝だといいましたね? その時、血とか……その、なにか体液を与えませんでしたか?」
 微かに頬を赤らめていい淀んだ様子に、愛姫のいう「なにか体液」がなにを表しているのかを察することができた。真面目そうな愛姫には、あからさまに口に出しにくい単語だろう。
「あー……いや、たしかに、まあ……ね」
 悠樹も曖昧に言葉を濁す。潔癖症の気があるのか、愛姫に穢らわしいものを見るような視線を向けられた。
「どのくらいの量ですか?」
 小さく溜息をつく愛姫。
「えっと……かなり、たくさん?」
 神流にフェラチオされた時、自分でもびっくりするほど大量に射精したことを思い出す。
 向けられる視線がさらにきつくなった。
「……そのせいです。魅魔の力を持つ貴方の体液によって、あの狼は飛躍的に力を増していたのです。普通なら破られるような結界ではなかったのに、それでも抑えきれないくらいに!」
 相変わらず、愛姫は怒りを収めない。
 ところが、悠樹を起こしにきたメイドの八木沢麻由は対照的に、笑いを堪えているような表情を浮かべていた。悠樹の視線に気がついて、今にも噴き出しそうな表情でいう。
「姫様がこんなに怒っているのには、理由があるんですよ」
「麻由! 貴女、余計なことをいうんじゃないの!」
 愛姫が止めるより先に、麻由は一枚のメモ用紙を悠樹に手渡してきた。すぐに愛姫に奪われたものの、その前にメモの内容は読めてしまった。
 女の子っぽい丸い文字。愛姫の字ではあるまい。
『外泊はお母さんに怒られるから帰る。服、借りてくね』
 神流だ。
 逃げ出す時に、律儀に置き手紙を残していったらしい。
 しかし愛姫の怒りの原因はこの本文ではなく、その後だろう。
『P.S. でも、この服、ウェストが緩くて胸がきついよ?』
 思わず、愛姫の胸に視線を向けた。
 小柄で童顔なのに胸は大きかった――Dカップ以上はありそうだった――神流に対して、愛姫は長身で大人っぽい雰囲気ではあるが、すらりと細身で、胸の膨らみも控えめだ。身長を考えれば、高校生としてもかなり小ぶりな方だろう。悠樹の目測ではAカップ未満――AAかAAAかというサイズだった。
 視線に気づいた愛姫が血相を変える。
「なっ、なにを見てるんですかっ!!」
 パ――――ンッッ!
 なんの手加減もなく、思いっきり頬をひっぱたかれた。
 それでも、悠樹の口元には笑みか浮かんでしまう。
 愛姫の、無機的で無愛想な第一印象とはまるで違う子供っぽい反応が新鮮だった。


 嘉~家で朝食をご馳走になってから、悠樹は帰宅の途についた。
 高橋から――条件付きではあるが――帰してもいいという連絡があったらしい。悠樹の立場では、どんな条件であれ飲むしかない。
 ちょうど、登校する愛姫と一緒になった。
 伝統ある女子校に相応しい長いスカートの制服を着た愛姫は、いかにも良家のお嬢様という雰囲気だった。刀を収めた布袋も、古風かつ高貴な印象を強める小道具になっている。
 これまで見てきた姿と違うのは、縁なしの小ぶりな眼鏡をかけていること。しかしこれは目が悪いためではなく、彼女の、深紅の瞳を目立たなくするためのものらしい。レンズに特殊な加工がされているのだろうか、色つきのサングラスではないのに、瞳の色が本来よりも茶色っぽく見えた。
 とはいえ、それは悠樹の推測に過ぎない。愛姫に訊いてみても、返事は返ってこない。
 神流のメモの一件以来、ひと言も口をきいてくれない。怒りを露わにするならまだしも、昨夜以上に無機的に、悠樹の存在を完全に無視していた。
 とはいえ、悠樹の愛姫に対する見方は、昨夜とはずいぶん変わっている。
 鬼魔との戦いという、生命に関わる特殊な状況に身を置いているからこそのあの態度で、その中身は第一印象とは異なり、意外と普通の女の子っぽい一面もある。
 たとえば、胸のサイズを気にするような。
 今、ことさら無表情を装っているのも、胸の件で必要以上に取り乱してしまったことの照れ隠しとしか思えなかった。そんな態度が可愛らしい。大人っぽい印象の愛姫だけに、ギャップにそそられる。
 思わず、口元に笑みが浮かんでしまう。
 悠樹の視線と表情の変化に気づいた愛姫が、微かに眉間に皺を寄せた。ようやく反応を見せてくれた。つい、からかってしまいたくなる。
「別に、胸は大きければいいってもんじゃないぞ?」
 そういうと、一瞬、また殴りかかってきそうな形相になった。しかしすぐに感情を隠して、冷静さを取り戻そうとするかのように深呼吸をした。
 可愛らしい反応に、もっと弄ってみたくなる。
「たしかに、神流の胸は魅力的だったけど。でも、愛姫の胸もなかなか魅力的だよ? 巨乳には巨乳の、微乳には微乳の、それぞれの魅力があるもんだ。それに、重要なのはサイズよりも形だろ。愛姫の胸は、すごくきれいな形だな」
「――っ!」
 愛姫は怒りの表情を強めつつも、微かに頬を赤らめて両腕で胸を隠すように覆った。
 本気で怒っているっぽい。さすがにセクハラ発言が過ぎただろうかと反省しつつも、そんな反応を引き出せたことに満足する。
 胸を隠したまま、悠樹を射殺せそうな視線を向けていた愛姫だったが、やがて大きく息を吐き出して腕を下ろした。
「……犬神さん、ひとついっておきますが」
 また、抑揚のない口調に戻っている。ただし、無理に感情を押し殺しているような不自然さが感じられた。
「貴方のように軽薄で女性にだらしのない人は、鬼魔に操られやすいんです。鬼魔にとってはつけいる隙だらけなんです。女性の胸ばかり見て……少しはわきまえてください」
「いや……そんなこといわれても、あんな可愛い子にいい寄られたら、男としては……なぁ」
 たとえ人間を魅了する鬼魔の力がなかったとしても、神流に誘惑されて抗える男はそういないだろう。
「貴方が魅魔の力を使いこなせるようになる前に、あの狼に喰い殺されることになりそうですね。……その方が世の中のためという気もしてきましたが」
「魅魔の力……か」
 愛姫や高橋の話では、悠樹が、実戦で使えるレベルで魅魔の資質を持っていることはほぼ間違いないらしい。
 退魔の能力を持つ者は稀少である。それが、強い魅魔の力となればなおさらのこと。退魔師は常に人手不足であり、能力を持つ者を遊ばせておく余裕はない。
 愛姫には姉がいて、やはり強い魅魔の力を持っているそうだが、『仕事』が急がしくて、もう半月ほど家に帰っていないそうだ。愛姫より年下の従妹も、やはり鬼魔との戦いに身を投じているのだという。
 そうした状況を少しでも改善するため、悠樹も愛姫の許で訓練を積み、鬼魔と戦えるようになること――帰宅に際して高橋が出した条件は、依頼というよりも〈命令〉だった。相手は国家権力である。事実上、悠樹に拒否権はない。しかも、それが神流を生かしておく条件となればなおさらのことだ。
 悠樹の力で神流を抑えておけるなら、神流の存在を不問にする。しかし神流が人間に危害を加えるようであれば、愛姫の力で〈処分〉せざるを得ない――と。
 口調は厳しいものではなかったが、高橋の台詞はほとんど脅迫のようなものだった。そういわれては従う他はない。一応、今のアルバイトなど比べものにならない額の給料ももらえることになってはいるが、鬼魔との戦いが命懸けであることを考えれば割に合う話ではない。
 結局のところ、この話を受けたのは金のためではなく、あくまでも神流のためだろう。
 神流を殺させたくない、と強く想う。
 だけど、どうしてだろう。昨日会ったばかりの女の子なのに。
 すごく可愛い子だから?
 彼女との性的な接触が、気が遠くなるほど気持ちよかったから?
 あるいは愛姫がいうように、もう神流の鬼魔の力に魅了され、操られているのだろうか。
 だけど悠樹としては、自分の意志で行動しているつもりだ。可愛い女の子を守るために身体を張るのは男として当然のこと――と思うことにする。
 脅されたからではない。
 操られたからではない。
 自分の意志で、気に入った女の子のために戦うのだ――と。そういうことにしておいた方が、格好いいではないか。
 それに、魅魔の力を伸ばす訓練をするということは、愛姫とお近づきになれるということでもある。絶世の美女と一緒の仕事、女っ気のない今のバイト先よりマシだ、ということにしておく。
 拒否することができないのであれば、マイナス面を見ても仕方がない。プラス思考でいくことにする。魅魔師として頑張れば、金が稼げて、神流を助けられて、愛姫と親しくなれるのだ――と。
「……まあ、頑張るよ。俺にそんな力があるのなら、それを活かしたいしな」
「あの狼、おそらく近いうちにまた接触してくるでしょう。貴方の血がずいぶんとお気に入りみたいですし。その時はすぐに私か高橋さんに連絡してください。……とはいっても不安なので、保険をかけておきます」
「保険?」
 愛姫はポケットから小さなナイフを取り出すと、その刃先を自分の人差し指に押し当てた。
 指先に、小さな紅い珠が浮かんでくる。
 その指を、悠樹に向かって差し出した。
「魅魔の血は、鬼魔の力に対してある程度の耐性があります。貴方も、私も、一般人よりは鬼魔に魅了されにくい体質ですが、他者の魅魔の血を取り込むと、耐性がより強化されます」
「なるほど……つまり、愛姫の指を舐めろ、と?」
 訊き返すと、愛姫ははっとした表情で頬を赤らめた。これまで意識していなかった、その行為の持つ意味に気づいてしまったのだろう。
 愛姫は慌てて手を引っ込めようとするが、一瞬早くその手を掴んだ。
 深紅の血を滲ませている指先を口に含む。
 舌の上に広がっていく、錆びた鉄の味。
 なのに、不思議と甘く感じた。
 どこか、神流とのキスを思い出させる感覚だった。舌を起点に、身体中に熱いものが広がっていくようだ。
 思わず、指に舌を絡ませてしまう。
 軽く、吸う。
 傷口を舌先でくすぐる。
 まるで、恋人に愛撫するように。
 愛姫の顔が赤みを増していく。
「……い、いつまでそうしているんですか! いやらしい!」
 強引に指を引き抜く愛姫。
 頬どころか、耳まで真っ赤になっている。意外とうぶなところがあるのかもしれない。
 とびっきりの美人で、周囲の男が一瞬たりとも放っておかないような愛姫だが、考えてみれば、普通の男女交際に興味があるようには見えない。案外、こうしたことは経験がないのかもしれない。
「愛姫の指って、美味しいね」
 わざと、愛姫が怒りそうな、そしてさらに赤面しそうなことをいってやる。
「――っ!」
 反射的に怒鳴りそうになった愛姫だったが、しかし、ぎりぎりのところできゅっと唇を噛んで堪えた。
 普段の印象とは異なる、可愛らしい反応だ。もっと見たいと思ってしまう。思っていた以上に弄り甲斐のある女の子だ。
「ところで、他者の魅魔の血を取り込むと耐性が増すってことは、愛姫も?」
「え?」
「愛姫も、俺の血を舐めると、鬼魔に対する耐性が増す?」
「そ、それは……っ」
 紅くなって言葉に詰まった様子を見れば、答えは聞くまでもない。
 悠樹は自分のバッグについていた安全ピンを外し、指先に軽く突き刺して小さな傷を作った。血が滲み出てきたところで、愛姫の顔の前に差し出す。
「わ……私には必要ありません!」
 必要以上に赤面して拒絶する愛姫。
「どうして? 鬼魔の力は強力で、どれだけ用心してもし過ぎることはないって、いってたじゃん」
「わ、私は、貴方のように油断しませんから!」
「でも、万が一ってこともあるだろ? 恥ずかしいから、なんて理由で万全の備えを怠るなんて、一流のプロのやることじゃないよなー」
 愛姫が怒ることも想定内で、挑発的にいってやる。愛姫が鬼魔との戦いに真剣であればあるほど、断りにくくなるはずだ。
「それに、もしも愛姫が鬼魔に傷つけられたら、俺も悲しいし」
「……」
 きつい視線が向けられる。圧力を感じるほどの視線だった。
 本当に、なんて力強い目をした女の子だろう。その神秘的な深紅の瞳には、神流の、惹き寄せられるような瞳とはまた違った魅力がある。
 身じろぎもせずに、まっすぐにこちらを睨んでいる愛姫。この後の反応を決めかねているようにも見える。
 そこで、悠樹の方から指を近づけていった。
 ゆっくりと、愛姫に逃げる余裕を与えて。
 しかし愛姫は動かない。相変わらず、怒りのこもった鋭い視線を向けている。
 指先が、唇に触れた。
 肩がぴくりと震えたように見えたが、あまりにも微かな反応で、気のせいではないという確信は持てなかった。
 さらに指を進めていく。
 相変わらず、射殺されそうな視線が悠樹に向けられている。しかし、拒もうとはしていない。
 愛姫の口の中に、人差し指を第二関節まで挿し入れた。
 ピンで刺した指先を、舌に押しつける。
 口の中は温かくて。
 唾液で濡れていて。
 舌や内頬の粘膜は柔らかくて。
 意識せずにはいられない。それはどうしても女性器を連想してしまう感覚だった。
 舌の上で、くすぐるように指先で小さな円を描く。
 また、ぴくりと肩が動く。
 しかし、それだけだ。避けたり、噛みついたり、ということもない。
 愛姫が抗わないのをいいことに、口の中の感触を楽しませてもらうことにした。
 女性器を優しく愛撫するように、ゆっくりと指を動かす。
 いや、愛撫するように、ではない。それはまさしく愛撫だった。
 愛姫はただ黙って、悠樹を睨んでいた。頬が紅いのは恥ずかしがっているのか、それとも怒っているのか、おそらくは両方だろう。
 瞳の紅みが増している。中で、怒りの炎が燃えさかっているようだった。
 それでもしばらく感触を楽しんでから指を引き抜くと、意外なことに、愛姫は口元に微かな笑みを浮かべた。ただし目は笑っていない。それは氷の微笑だった。
「……どうしてでしょう。私、まるでレイプでもされたような気がしているのですが」
 芝居がかった口調でいう。
 背筋が凍りつくような視線を悠樹に向ける。
「あー、……まあ、その認識は正しいんじゃないかな?」
 実際のところ、悠樹としては愛姫に性的な悪戯をしているつもりだった。
「まあ、そうでしたの」
 わざとらしい台詞。
 愛姫はおもむろに鞄を開けて、中から長さ二十数センチほどの棒状の物体を取り出した。
 それがなにか、と考えるまでもなかった。一瞬後にそれは鞘から引き抜かれ、危険な輝きを見せる切っ先が悠樹の目の前に突きつけられていた。
 さほど大きくはない、しかし生身の人間を傷つけるには充分すぎる刃渡りと鋭さを持った短刀。
 昨夜の、無機的な愛姫からは考えられない笑顔が、それ故にかえって怖かった。
 単なる冗談ではなく、本気で怒っていることが伝わってくる。初夏の陽気の下、冷たい汗が背中を流れた。
「……もしかして、冗談が過ぎた?」
「まあ、犬神さんって、冗談で女性にあんなことする方なんですか?」
 そういうと同時に、短刀が突き出された。
 狼と戦った時の神速の居合いに比べれば、けっして素速い動きではない。それでも冗談で済ませるにはしっかりと体重が乗っていて、しかもまったく躊躇いがなかった。
 悠樹が慌てて避けなければ、間違いなく怪我をしていたはずだ。一応、避けることを見越しての行動だったようではあるが。
 愛姫の表情が一変した。
 顔からいっさいの感情が消え、初対面の時同様の無機的な、作り物めいた表情に戻る。頬の紅みも消えている。
「次は、本気でやります」
 低い、抑えた声。
 さすがにもう、ふざける余地のなさそうな口調だった。
 思わず、両手を頭の横に上げた。降参だ。
 愛姫は黙って短刀を鞘に収め、柄を前にして差し出した。
「持っていてください」
「え?」
「あの狼は、いずれまた接触してくるはずです。いざという時は、これと、ご自分の血でなんとかしてください。私は……貴方が危険な目に遭っていても、無意識のうちに助けることを拒絶してしまうかもしれませんから」
 これも冗談に聞こえなかった。
 なんだかんだいっても昨夜は悠樹を護ってくれた愛姫だが、あまり悪ふざけが過ぎると次は本当に助けてもらえないかもしれない。
「私、貴方のような殿方は大嫌いです」
「……俺は、愛姫のことが大好きになりそうだけどね」
 軽い口調でいった台詞は完璧に無視された。
 好意的な反応を期待していたわけではないが、怒るにしろ照れるにしろ、なんのリアクションもないのは辛い。
 その後の愛姫は、悠樹など存在していないかのような態度で、ただ黙って歩いていく。何度か話しかけてはみたものの、もちろん反応は返ってこない。悠樹の存在そのものを意識の外に追い出してしまったかのような、完璧な黙殺だった。
 駅に着いてしまえば、乗る電車は別方向だ。
 ひと言の挨拶もなく、愛姫は自分が乗る電車のホームへと向かう。
 長い黒髪が揺れる後ろ姿を見送りながら、悠樹は想う。
 あの性格、いいかもしれない。
 神流とはまた違った魅力がある。
 本気で惚れてしまいそうだ。

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