第1章【5】

 玲の下着の中から、中のものを引っ張り出す。
 なるほど、男の子の下着の前開き構造は、こんな風に活用するのか――なんて納得しながら、下着越しにではなく直に触る。
 さすがに、それをまともに直視することにはまだ抵抗があったので、スカートの中に隠したままで。
 直に握ってみると、それは予想していたよりもずっと大きく感じた。小学生の頃、一緒にお風呂に入った時に見た記憶とは桁違いだ。
 喩えるなら、極小のウィンナソーセージと特大フランクフルトの差。手に伝わってくる感触から察するに、ネットで見た動画のAV男優にも負けていないと思う。
 こんな、女の子みたいな……いや、女の子そのものの外見なのに、ここだけは立派な男の子。
 そのギャップがなんだか不思議。
 握ってみると、びっくりするくらいに太くて大きい。
 固い弾力があって、熱くて、小さく脈打っている。
 手をゆっくりと前後に動かしてみる。
 固い。
 確か、この中に骨はないはずだが、本当に? と思ってしまう。
 スポンジ状の組織に血液が流れ込むことで、大きくふくらんで硬度が増す――本で読んだ知識としては理解しているが、こうして触れてみると信じられない。
 人体で他に、骨がないのにこんなに固い器官なんてあるだろうか。
 それに、この大きさ。
 長さも、太さも。
 納得できない。
 信じられない。
 セックスとは、これが女の子の中に入ること。これが膣に挿入されて、気持ちよくなって、この先端の小さな穴から射精すること。
 だけどこんなに大きなものが入るだなんて、とても信じられない。しかも、それが気持ちいいだなんて。
 もちろん、性器を刺激することが気持ちいいということはよく知っている。あたしだって今どきの普通の女子高生、密かなひとりエッチはそれなりの頻度で楽しんでいる。今、玲に触れられているのだってすごく気持ちいい。
 だけど、指先を少しだけ入れてみた時の感触から推測される膣口のサイズと、いま触れている男性器の太さは、釣り合いがとれていない気がする。これをあそこに挿入するなんて、気持ちいいどころか、無理やり拡げられることになってすごく痛そうだ。
 だってこれ、タンポンよりもずっと太い。
 とはいえ冷静に考えてみれば、そこは本来出産のための器官で、新生児が通り抜けられるはず。ならばこのサイズのペニスくらいはすんなり受け入れられるのかもしれない。
 いまいち、納得しがたいことではあるが。

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